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「ひとりごと」

065 自然体 2010.03.13

 渋滞が有名なタイのバンコクですが、今日はほとんど渋滞がありません。検問をしているところや、集会が行われているところは別でしょうけど。そう、タクシン派の団体UDD(別名赤シャツ隊)が大規模集会を行うというので、トラブルに巻き込まれることを恐れた市民が、外出を控えているようです。日本企業の中にも、外出禁止令を出したところもあるようです。

 でも実際は、人数が集まらずに集会は不発に終わったというニュースもあります。本当のところはどうなのか、これはもうしばらくたってみないとわかりません。軍隊と衝突して、流血なんてことにならなければ良いがと思っています。

 ところでこの問題、やはりタイ人の間ではタブーのようです。それぞれ価値観があって、UDDはとんでもないという人もいれば、タクシン元首相のお影で貧困層は助けられたという人もいますから。そして、その価値観を遠慮なしにぶつけ合うと、殺し合いにまで発展することがあります。

 昨夜NHKで、日米同盟についての討論番組をやっていました。相当に興奮して、感情的になっている人がいましたね。まあ、それは予想できたことですけど。どちらが正しいかという観点しか持てない人は、相手を受け入れることができません。自分の価値観だけが絶対的に正しいと思い、それを相手に押し付けようとします。それが最終的には力による衝突に発展していることを、そろそろ気づいても良い頃ではないかと思うのですが。


 という長い前振りをして、今日のお話はNHKでやっていた永ちゃんこと矢沢永吉さんと、20代の若者たちとのトーク番組についてです。その中で永ちゃんは、本当に自然体で話をしていました。若者に対しても同じ目線で話し、けして自分の価値観を押し付けるようなことはありません。

 特に印象に残ったのが、21才のキャバクラ嬢との対話です。彼女が、今まで3年間やっていて、今後どうしたらいいか迷っていると言ったのです。それに対して永ちゃんは、「こうしなさい」ということは言いませんでした。

 もし頭の硬い大人だったら、「そんな仕事はすぐに辞めなさい」とか、「もっと将来を考えてまっとうな仕事につきなさい」というような、自分の価値観を押し付ける発言をしたでしょう。でも永ちゃんは、彼女の中にある「このままじゃいけない。でも、今の居心地はけして悪くない。」という相反する気持ちを、そのまま受け入れていました。


 ただ、その上で一つアドバイスするとすれば、「すべて自分の責任だ」ということを知っておきなさいと。さすが永ちゃんですね。何をやってもいいし、やらなくてもいい。でも、それを決めたのは自分自身だと。あとになって国が悪いとか、時代が悪いとか、親が悪いなどと他のせいにするなということです。

 永ちゃんは言いませんでしたが、おそらくそれは自分自身のためだと思うのです。他のせいにすることは簡単ですが、そこから抜け出すことができなくなります。他が悪いのですから、自分が変わる必要がありません。でも、自分に責任があると思ったら、自分が変わるしかないじゃないですか。


 キャバ嬢のことが気になったのは、やはり普段接しているゴーゴーバーの女の子たちとオーバーラップしたからでしょう。その世界に飛び込むときも、そして今でも、いろいろ思うところはあると思うのです。

 ゴーゴーバーで働く女の子たちを、蔑む人は多くいます。私はそう考える人を否定はしませんが、同意もしません。彼女たちは、彼女たちなりに考えて、自分で道を選んだのです。強制的に働かされている場合は別ですが、そうでなければ、それもまた彼女たちが選んだ人生なのです。


 「体を売るという楽に金を稼ぐことを考えるヤツはダメだ」と、彼女たちの価値観を否定する人がいます。それも一つの価値観ですが、他にも価値観はあると私は思います。

 私は2つの点で、その考え方に同意しません。1つは、彼女たちの仕事はけして楽ではないと思うからです。もし本当に楽だと思うなら、みんなやったらいいのです。容姿が他人より優れているとか、性格が魅力的などの素質や、その維持も必要でしょう。さらに、嫌な客への対応や、体が辛いときも休めないということもあるでしょう。

 2つ目は、楽に金が稼げることが悪いとは思わないということです。お金は、客が喜んだことの対価として受け取るというのが、まっとうな商売です。相手を困らせたり、不幸にするような方法で受け取るのは、まっとうとは言えません。

 つまり、金を得るためにどれだけ大変なことをしたかが重要なのではなく、物やサービスの提供を受けた側が、どれだけ満足するかが重要なのです。物やサービスの価値は、それを生み出すのに費やされた労働力ではなく、買う側の満足度によって決まるのです。


 永ちゃんのトーク番組を見ていて、特に印象に残ったのは、若者たちの真剣な眼差しでした。もし、これだけの真剣さで学校の授業を受けたら、きっと学業でも大成するだろうなと思うほどでした。おそらく、彼らもそれだけ真剣に悩み、生きているのでしょうね。私は、そういう人たちを見ると、心から応援したいと思うのです。





 ジャンメダイは、ただのスケベオヤジではなかった!!
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